もはやCLどころじゃないレスター。
岡崎も不発でFA杯は3部に敗戦

  • 井川洋一●文 text by Igawa Yoichi
  • photo by Getty Images

 レスターの奇跡が長く続かないことは、おそらく誰もがわかっていた。しかし、ここまでの凋落を予想した人は多くなかったのではないか。エンゴロ・カンテ(現チェルシー)が抜けた穴は大きく、一度歯車が狂ったチームは「自信の欠如」(岡崎)によって、軌道修正できないまま後半戦に突入している。

 ミルウォール戦の後に、ラニエリ監督は「戦士と勇士が必要だ」と訴えた。けれども、65歳のイタリア人指揮官が「勇気」に訴えるのは今季、これが初めてではない。その響きは神頼みにも近い。

 おそらく、レスター初の「CLでの冒険」はセビージャによって終焉を告げられるだろう。ニュートラルに現状を見て、それが妥当な予想である。案ずるべきは、その後だ。欧州至高の舞台からの敗退後に、国内でそのショックを引きずることになれば(それはよくあることだ)、1938年のマンチェスター・シティ以来、初めてイングランド1部リーグの王者が翌シーズンに降格の憂き目に遭う可能性は増す。そんな最悪の筋書きだけは起こってほしくないが、はたして......。

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