「終わったGK」カシージャスがポルトで復活。苦い記憶も脳内変換? (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Getty Images

<てめぇらの目は節穴か?>

 そんな叫びが聞こえてくるような鬼神のセービングを、カシージャスは連発している。

 今シーズン、ポルトでプレーするカシージャスは神がかっている。国内リーグ、チャンピオンズリーグ(CL)での1試合平均失点は約0.5点。欧州でも1、2を争う防御率だろう。ポルトのCLベスト16進出に大きく貢献。CL歴代最多の162試合出場を果たし、同じく最多となる「17度目の決勝トーナメント進出」を決めている。

「自分はあらゆる大会で栄光を勝ち取ってきた。批判は腹が立つが、どうでもいい。ストレスはコントロールできる」

 そう語るカシージャスは、誰も辿り着けない境地に足を踏み入れているのだろう。

<W杯優勝、2度の欧州選手権優勝、クラブW杯優勝、3度のCL優勝、5度のリーガエスパニョーラ優勝>

 これだけの栄光に浴したGKは今も昔も存在しない。

「試合前には、これから起きることをイメージすることにしている。そうすることによって、局面において選択し、決断しなければならないとき、少しだけアドバンテージになるのさ。どこまで自分はやれるのか、すでに想像の中で戦っているからね」

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