刺客ナポリを返り討ち。レアルが見せつけた圧倒的な実力差 (5ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 中島大介●撮影 photo by Nakashima Daisuke

 結局、試合は後半にMFトニ・クロース、カゼミロのゴールで2点を奪ったレアルが3-1で快勝。レアルのジネディーヌ・ジダン監督は「選手はインテンシティが高く、集中してプレーしていた」と称え、「3ゴールでの勝利はロジカルな結果だ」と胸を張った。

 結果的には、ナポリがいかに策を弄そうとも、個々の能力の差は埋められなかったことになる。実力上位のレアルが慌てることなく打ち合ってきたのでは、ナポリに勝ち目はなかった。サーリ監督は語る。

「レアルの試合はすべて見たが、この3ヵ月で最高のプレーをした。その一方で、我々は最悪のゲームだった」

 また、サーリ監督が「若い選手たちにとって、このスタジアム(サンティアゴ・ベルナベウ)でレアルを相手にプレーすることも(ミスの多発に)影響した」と話していたが、経験の差も明らかだった。

 もちろん、ジダン監督が「まだ勝負はついていない。我々にとって難しい試合が待っている」と話すように、まだ第1戦が終わったばかり。今度はナポリに乗り込んでの第2戦が待っている。アウェーゴールの1点は、決して看過できない価値を持つだろう。

 サーリ監督もまた、完敗を喫した後でも、「この結果を受けてもなお、まだ(ラウンド16を)突破できると思っている。次の第2戦は2-0で勝ちにいく。ホームではやれることはすべてやる。それが重要だ」と、あくまでも強気に振る舞う。

 だが、両者の間にある実力差は、いかんともしがたい。けれんみなく、ひたむきに戦ったナポリが、それでもクラブ世界王者にねじ伏せられた試合を見て、そんな印象を受けた。

 レアルが準々決勝進出へ大きく前進した。その事実は動かしようがない。

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