ボコボコにされたバルサ。PSGがCL8強を引き寄せた「走り」の差 (4ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by Getty Images

 PSGのウナイ・エメリ監督は、よかった点として「組織的な戦い」と「強いスピリット」を挙げ、「この試合にはとても満足している」と語っていた。攻守においてコンパクトな布陣を保ち、一つひとつの局面で勝利を重ね続けたPSGが、圧勝という形で試合を終えたのも当然だった。

 また、チームの中心であり、経験も豊富なDFチアゴ・シウバ(32歳)、MFチアゴ・モッタ(34歳)を欠くなか、MFアドリアン・ラビオ(21歳)、この試合がCLデビューのDFプレスネル・キンペンベ(21歳)という若いふたりが際立った活躍を見せたことは、この日の勝利だけにとどまらず、今後につながる好材料だ。

 過去CLで9季連続ラウンド16を突破し、その間に3度の優勝を果たしているバルサ。対するは、4季連続でベスト8に進出しているものの、一度も準々決勝の壁が破れないPSG。CLにおいて、どちらがより多くの成功を収めてきたかは明らかだ。

 しかし、もしかするとこの一戦は、バルサが一時代を築いた栄光に終止符を打ち、PSGは新たな歴史を作り出す。そんな新時代へと移り変わる、エポックメイキングな試合となるのかもしれない。

 2ゴールでプレーヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれた、ディ・マリアは言う。

「これ以上ないほど完璧な日だった。我々はすばらしい試合をした。目標に向かって最高のステップになった」

 もちろん、勝負は半分を終えただけ。第2戦を残している。バルサのルイス・エンリケ監督は「次は勝てる」と自信を見せる。

 だが、1勝に加え、4ゴールがもたらすアドバンテージは極めて大きい。

 PSGが大きな一歩を踏み出した。

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