番記者が明かす、本田圭佑ミラン残留の真実。「夏にロスへ行くだろう」 (2ページ目)

  • パオロ・フォルコリン●文 text by Paolo Forcolin 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 しかし、それでも監督と本田の関係は悪くはない。モンテッラは本田を真のプロフェッショナルとして評価している。モンテッラが記者会見などで何度もそう言っているのを、嫌味と取る者もいるかもしれないが、それは掛け値なしに彼の本心だ。ただし――評価しているのは本当にそれだけなのだ。冬のメルカートでは彼とポジションの重なるジェラール・デウロフェウとルーカス・オカンポスを獲得している。本田は常に構想外なのだ。

 ミランと本田の決別は決定的だ。にもかかわらず1月のメルカートではサプライズなどなく、両者は移籍を6月の契約満了時まで先送りすることで合意した。本田の勤務態度は申し分ない。秩序を守り、問題は起こさず、練習場には一番最初に来て、一番最後に帰っていく。モンテッラだけでなく、ミランはこの点を非常に高く評価している。

 それに本当のところ、この冬に本気で本田をほしがったチームはほとんどなかった。そしてなによりサッカーのテクニカル面でない部分で、本田は一朝一夕には簡単にチームを変えられる身ではない。サッカースクール、スポンサー、CM契約"も"、彼に付随している。本田はいわば歩く総合商社だ。ただサッカーボールを蹴るだけの存在ではないのである。

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