ブンデス2部でトップ下からボランチに。山田大記「今はすごく楽しい」 (4ページ目)

  • 鈴木智貴●文 text by Suzuki Toshiki
  • photo by AFLO


 もしかしたらいい時期になるかもしれない――決して腐ることなく練習に打ち込んだ山田の予感は的中した。

 第7節からここまで13試合連続で先発に名を連ね、そのうち11試合はフル出場。しかもそのほとんどは、今シーズン開幕当初に苦悩を抱えていた、「正直、まったくやったことがないに等しい」ボランチでの起用である。第15節に解任されたオラル監督だけでなく、2試合指揮を執ったルーカス・クワスニオク監督代行、そしてミルコ・スロムカ現監督までもが、山田を中盤の底に配置している。

「正直、自信っていう意味では、今シーズンの出られなかった時よりも、昨シーズンに一時期(自信を)失ってた時期があった。(その原因は)『自分はどういうプレースタイルなのか』とかですね。日本ほどドリブルでは抜けないし、『じゃあパサー?』っていうのも自分のイメージとは違う。点も取れてなかったり、日本でやってた時のイメージ通りにはいかないことが多くなった。その中で、自分のよさを出せずに終わるゲームがたくさんあって、『俺はここでどういう風に戦っていくのがいいのか?』っていうのがなかなか掴めなかった時期があったんです。

 出してもらってるからこそ、自分でも余計にプレッシャーをかけちゃって、チャレンジができなかったり、安パイなプレーをすることも多かった。でも逆に(オラル監督になった当初にレギュラーから)外された時は、ありきたりですけど『俺はこんなもんじゃない』と」

 そう話す山田の顔からは、自然と笑みがこぼれていた。

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