ブンデス2部でトップ下からボランチに。山田大記「今はすごく楽しい」 (3ページ目)

  • 鈴木智貴●文 text by Suzuki Toshiki
  • photo by AFLO


 しかし、山田を寵愛していた指揮官は昨シーズン終了をもってクラブを去り、新たにやってきたのはトーマス・オラル新監督。フォーメーションはそれまでと同じ4-2-3-1だったが、10番のポジションから激戦区のボランチへコンバートされ、山田は葛藤していた。ベンチ入りするも出場機会がまったく与えられなかった開幕戦を終えた際、自身の状況について、当時こう話している。

「今日もいまいちイメージが......。どこで出るのかも分からなかったし、監督が何を求めてるのかっていうのは、まだ理解はしきれてないですね。出られるのならどこでもいいですけど、出れないなら前で勝負したいっていう気持ちのほうが(強い)。意図があって後ろで使われるのなら、それは監督の意図なのでボランチでもいいかなとは思いますけど、途中からだったり最後の短い時間(だけの出場)だったりっていうことを考えたら、やっぱり前でやりたい気持ちのほうが全然強いので」

 その後、第2節ではスターティングイレブンへ復帰するも、さらにその翌週に開催されたドイツ杯1回戦を含め、第3節から第6節まで公式戦5試合連続で出番なし。ベンチ入りすらできないという屈辱も味わった。しかしその一方で、それは山田にとって新しい挑戦の時でもあった。

「去年とかはやっぱり使ってもらってたからこそ、自分の中でもチャレンジしきれてないというか。試合には出てるけど、自分のイメージするプレーとはかけ離れていた。それでも試合に出してもらってるから、自分の中でも変化をさせにくいところがすごいありました。

 そういう意味では、今は練習の中でも『こうやってみよう』とか、変化をどんどん出していけてるので、長いスパンで見たら、もしかしたらいい時期になるかもしれない。自分のやるべきことをやって、いつも通りやってれば......。もちろんこの状況っていうのはすごく歯痒かったり、悔しかったりもありますけど、でもやれることはいつも通りのことなので」

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