柴崎岳のデビューは18日か。
テネリフェ監督は「中央」で起用を示唆

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi photo by MarcaMedia/AFLO

 選手たちはランニングと軽いボール回しで体を温めた後、守備から攻撃への切り替えの戦術練習を行なった。この戦術練習でわかったことは、テネリフェがレアル・マドリード戦のパフォーマンスだけで柴崎を獲得したわけではないということだ。日本人MFの得点力だけでなく、ゲームを作る展開力を、クラブはしっかりと見ていた。

「何本もビデオを見たし、非常にいい選手だね。ポジションはボランチもトップ下もやれると見ている。サイドでプレーできるのも知っているけど、サイドよりは中央の方が生きると思っている。これからいろいろと試していきたい」

 現役時代、マジョルカで家長昭博とともにプレーをしていた監督ホセ・ルイス・マルティは、まずは柴崎を中盤の低い位置に配置した。左右に長短のパスを通すことでチームの攻撃のリズムのギアを上げる大事な役目のポジションだ。

 柴崎の傍らに立ったマルティは、袖を引っ張ってボールを受ける位置を教えるなど、体、感覚でわかるような個人的な指導を行なっていた。そんな姿を見ても、指揮官が即戦力として考えていることがうかがえる。

 時間にすると1時間強と短い時間で終わったテネリフェでの初練習。コンディション的にまだ万全ではない柴崎は、練習終了後に通訳をまじえて監督と意見を交わすと、ランニングで汗を流してリーガデビューに向けて調整をしてからロッカールームに姿を消した。

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