清武弘嗣を「失敗」扱いは気の毒。スペインでの成功に何が足りないのか (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Getty Images

 トップ下はナスリ、フランコ・バスケス、ビトーロが定着。同じ攻撃的MFのパブロ・サラビアは左サイドでもプレーが可能で、ビセンテ・イボーラは前線からセンターバックまでこなした。ホアキン・コレア、ガンソはホルヘ・サンパオリ監督の秘蔵っ子で、ステファン・ヨベティッチは冬の移籍の加入ながらすぐに勘をつかんだ。

 そして後半戦、セビージャはタフなシーズンを戦いきるため、アルゼンチン色を強めた。監督もアルゼンチン人だけに、6人目のアルゼンチン人、MFワルテル・モントージャを争奪戦の末にロサリオ・セントラルから獲得。これによって、自動的に「ガンソか清武の放出」が決まった。外国人枠は3つで、もう一人の外国人マリアーノは欠かせない主力だからだ。

 クラブとしてはガンソを第一候補に挙げたが、10億円とも言われる移籍金を払えるクラブはなかった(年俸も200万ユーロと高く、レンタル移籍で支払うクラブもない)。そこで清武に白羽の矢が立つ。当初はMLSのクラブに高値で売ることも想定に入っていたが、清武側に拒否されたようで、セレッソとの交渉をまとめることになった。

 清武がスペインで成功するには何が必要だったのか。

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