香川真司、また中盤からはじき出される。ライバル復帰で厳しい現実 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

 相変わらずトゥヘルと各メディアの関係は良好とは言えない。以前はクラブと蜜月のような関係にも見えたビルト紙でさえ「トゥヘルはドルトムントの監督にふさわしくない。机上の空論のようなサッカーをしている」と批判するOBのコメントを掲載。どうやら火種がくすぶっていることが想像できる。

 そしてこの日もマインツに1-1と引き分けたように、結果も出ていない。

 勝つチャンスは大いにあった。ドルトムントの先制点は試合開始直後の3分。アンドレ・シュールレが中盤で相手にプレッシャーをかけると、いとも簡単にボール奪取に成功した。これをカストロとワンツーで前線に運び、マルコ・ロイスへスルーパス。ロイスは前に出たGKとのタイミングを計りながら、ネットを揺らした。

 となれば、立ち上がりの1点でペースをつかんでもよさそうなものだが、そうはいかなかった。マインツは最終ラインから放り込むサッカーに終始したが、ボールを奪ったドルトムントがゴール前に効果的に持ち込む形ができない。

 トゥヘルは試合後の記者会見で、「 チームが引いて守る戦いに満足しているように私には感じられた。なんとか逃げ切ればいい、1-0の勝利を持ち帰れればそれでいいと考えているように見えた。単純に我々には積極性が足りなかったということだ」と、語っている。

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