ケルン大迫勇也、2得点の荒稼ぎ。「やっぱ点、獲らなきゃね」 (2ページ目)

  • 了戒美子●文  text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Imaegs

 その点、この日のダルムシュタット戦は、アウェーとはいえ下位相手の試合であり、主導権を握れることは想像がついた。マインツ戦ほど守備的にいく必要はなかった。またケルンは、レオナルド・ビッテンクールが左MFで先発復帰。先発出場は実に第3節以来だが、彼の復帰と、クリスティアン・クレメンスの加入で、一気に中盤の人員がそろい、大迫は前に押し上げられる状況ができた。

 だから2トップでの先発も予想できたし、得点できる勝算はあったのだ。

 実際、試合はその通りの展開になった。立ち上がりから30分過ぎまで はホームのダルムシュタットが粘った。ゴール前に人数をかけるだけでなく、激しいボディコンタクトで時にはケルンのエース、アントニー・モデストを苛立たせながら、攻撃を潰していく。荒れる展開はスタンドにも波及し、多くの警官や警備員が走り回る、見ている側にとっても慌ただしい試合だった。

 均衡が破れたのは32分。ケルンの先制点は一瞬、大迫の得点に見えた。ペナルティエリアやや外からのフリーキック。こぼれ球をつないだパベル・オルコウスキのクロスに、大迫はニアに走り込む。だが、ボールに触ったのは大迫についていたディフェンダーで、オウンゴールとなった。喜ぶ大迫の姿も見られたが、あとで本人に確認すると、「あれ、オウンゴールっすよ。触ってないっす」と、あっさりとしたものだった。

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