トランプ現象でスペイン代表が分裂か?サッカー界に潜む独立問題 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 もしカタルーニャが独立したら、カタルーニャ国内リーグを戦うことを余儀なくされ、バルサも自動的にそこへ所属する。それはリーガにとっても、バルサにとっても、メリットのある話ではない。クラシコのようなドル箱マッチが消失し、バルサも平凡なチームを相手に週末の試合を戦うことになる。

 感情の着地点を見つけるとしたら、やはり代表チームの編成があり得るのかもしれない。

 カタルーニャやバスクは、これまでも代表チームを編成し、国際大会を戦うことを求めてきた。これは独立せずとも、実現不可能ではない。事実、イギリスにおけるウェールズ、スコットランド、北アイルランドは、ワールドカップやユーロを戦っている。

 啓蒙活動の一環として、バスク代表、カタルーニャ代表は主に年末に代表戦をマッチメイク。どちらもW杯に出場するような国と戦い、互角以上の戦績を残している。

 カタルーニャはジェラール・ピケ、ジョルディ・アルバ、ブスケッツ、セルジ・ロベルト(いずれもバルサ)、セスク・ファブレガス(チェルシー)、マルク・バルトラ(ドルトムント)、ジェラール・デウロフェウ(エバートン)など、バルサ育ちの選手だけで、豪華な陣容になる。いずれもスペイン代表歴を持っており、他にもレアル・マドリードのキコ・カシージャ、アーセナルのエクトル・ベジェリンなど有力選手は少なくない。

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