準備万端も声かからず。ラニエリ新戦術で岡崎慎司にさらなる危機感 (2ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 昨シーズンの後半戦はプレーの意識を「ゴール奪取」に置いていた岡崎だが、ここにきて、「フォアザチームの動き」にその比重を傾けるようになったという。まずは求められている役割をこなし、そのうえでゴールを目指す――。つまり、優先順位が入れ替わった格好だが、その理由は12月以降の出場記録を紐解くと見えてくる。

 7試合のうち、先発数は3試合(※そのうちのひとつは、消化試合となったチャンピオンズリーグ・グループリーグ第6節FCポルト戦)。途中交代での出場が3試合、出番がなかったのは1試合だった。岡崎が「監督にとって自分は駒のひとつ」「絶対的な存在ではない」と語っているように、現時点での立ち位置は"準レギュラー"である。

 引き金になったのは、スリマニやムサの加入で激化したFWの定位置争い。ラニエリ監督の手もとには多くの起用オプションがあり、昨シーズン後半戦に不動のレギュラーとなった岡崎も、その座が安泰でなくなった。

 振り返ってみると、レスター加入当初の岡崎はFWの3〜4番手だった。そのため、「誰もやっていないから」との理由で、献身的な動きやハードワークを自身のアピールポイントに掲げ、レギュラー奪取を試みた。まずは、試合に出るために"汗かき役"をこなしたのだ。

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