苦境の宇佐美貴史がポジティブに変身。「練習も食事も、すべて変えた」 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

 それでも、後半戦に向けて宇佐美には期待する価値がある。2016年の最終戦となった第16節ドルトムント戦後、約20分にわたって心境を語った宇佐美の様子は前向きの明るさに満ちていた。

――前半戦はなかなか出番がなかったけれども、レベルアップしている感覚は?

「できていると信じたいですね。たぶんこの半年......、一番......。難しいな言い方が。トゲのない言い方を探さないと(笑)。苦しみながら、苦しまされながら、努力はしっかり積み重ねてきました。この試合が終わってオフには入りますけど、この半年ほぼほぼ戦っていないから疲れてない(笑)。オフの短い間でも積み上げ作業をしっかりして、いかに(リーグ再開前の)キャンプからスタートダッシュできるか。ゼロからの勝負だと思います。成長はしていると思いますよ、絶対」

――さほど成績が悪くない(13位) なかで、監督交代(第14節終了時にディルク・シュスター前監督を解任、マヌエル・バウム新監督が就任)など、チームがバタバタしたことに、動揺はなかった?

「僕、以前なら、ああいう状況に陥っていたら、つまり監督が代わったら、『よし、俺の出番だ』みたいに思っていたかもしれないですけど、今回は不思議なくらいなかったんです。監督が代わろうが代わるまいが、自分のやらなきゃいけないことはひとつだという信念を持ってやれている部分があったので。監督交代がいきなりすぎて、少し驚いたっていうのはありますし、もちろんそれで状況が変わればうれしいことだとは思いますけど、そんなに気にならなかったですね。不思議と」

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