本田圭佑のパラドックス。チームが調子を上げると居場所を失う (2ページ目)

  • ステーファノ・メレガリ(『Forza Milan!』編集長)●文 text by Stefano Melegari  利根川 晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 モンテッラ・ミランは実践と努力をもって、ここ何年もミランが欠いていたチーム内の共通意識を生み出すことに成功した。サポーターの目の前でチームは若返り、そして成長していった。17節の時点で比べると、昨シーズンの同じ時期より勝ち点は5ポイント多い。

 守備面では先にも挙げたドンナルンマがすでに世界のトップGKの仲間入りをし、CBのガブリエル・パレッタとアレッシオ・ロマニョーリのコンビも有能だ。

 中盤ではケガで欠場中のキャプテン、リカルド・モントリーヴォの代わりに入った18歳のマヌエル・ロカテッリが大活躍。彼もまたドンナルンマ同様、ユースチームからの大抜擢である。モンテッラは彼の才能を見出し、うまく花開かせ、中盤の主軸とした。ジャコモ・ボナヴェントゥーラも欠くことのできない大事な駒で、マリオ・パシャリッチ、ユライ・クツカ、そして最近ではアンドレア・ベルトラッチもチームに大いに貢献している。

 攻撃陣にはもう1人の欠かせない選手がいる。スペイン人のスソだ。彼は右サイドやトップ下でもよく動き、オフェンスに質と創造性を与えている。

 モンテッラが、これから注意して成長させていかなければならないのはストライカーだ。カルロス・バッカ、ジャンルカ・ラパドゥーラ、そしてエムバイェ・ニアングはそこそこの活躍はしているものの、まだ波がある。彼らが持続力を持っていいプレーをすることができれば、ミランはより安定して上位にい続けることができるだろう。

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