落第は誰だ。原口、長谷部、香川ほか、
ブンデス日本人8選手の通信簿

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Imaegs

 2度目のドイツ挑戦となった宇佐美貴史のアウクスブルクは12位。健闘と言っても差し支えない順位につけていたにもかかわらず、12月14日、チームはディルク・シュスター監督とアシスタントコーチ2名を解任した。暫定的に指揮をとるマヌエル・バウム監督のもとで宇佐美は初先発を果たしている。

 出場機会がない中でも宇佐美は少しずつ成長している。「新監督が来ても『俺のチャンスだ!』と浮き足立つことはあまりなかった。これまでどおりしっかりやっていこうと。自分的にも驚いたけど(笑)」などと語っているが、その言葉どおりなら大きな変化だろう。後半戦、定位置をつかむ可能性も十分にある。

 そして酒井高徳のハンブルガーSVは16位だった。酒井は第11節ホッフェンハイム戦から主将に就任。それは、監督交代しても2分8敗と何の効果もなく、クラブ史上初の降格へ一直線......という状態のチームに打たれた劇薬だった。これが功を奏し、酒井の主将就任以降は3勝2分1敗。対戦相手に恵まれたこともあるが、試合を見る限り、90分間安定して頑張り続けられる酒井の存在は大きい。

 下位チームにありがちな1失点するとすぐに下を向く雰囲気に喝を入れ立て直す役割を、酒井は自然にこなしている。ポジション的にもボランチからサイドバックまでこなし、プレーヤーとしての幅も広げている。

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