落第は誰だ。原口、長谷部、香川ほか、
ブンデス日本人8選手の通信簿

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Imaegs

 若手の活躍に押し出される形で香川も出場機会を失った。9月の日本代表戦あたりから痛み出した右足首の状態が思わしくなく、11月には水を抜くなどして2週間近く練習に参加できない時期もあったという。後半戦は、チームも自身もスタートダッシュといきたいところだが、トーマス・トゥヘル監督が敗戦のたびに選手の批判を繰り返すことなどから、不協和音も聞こえてきた。

 7位、ケルンの大迫勇也は全試合に出場。途中出場は開幕戦のみで、残る15試合は先発だった。直近の4試合を含む計6試合にフル出場しており、一気にチームの主力になっている。

 前半戦の終盤はマルセル・リッセ、マティアス・レーマン、レオナルド・ビッテンコートと主力に負傷者が相次ぎ、トップ下での出場を余儀なくされている。「今季は守備をしないと決めてフォワードで」と、結果にこだわってきた大迫は、もどかしさも口にする。苦しいチーム事情に「今は仕方がない」と苦笑いしながらも、「後半戦が楽しみ。たぶんフォワードができると思うし」と、早くも後半戦に思いを馳せている。

 もっとも気の毒だったのは10位マインツの武藤嘉紀かもしれない。今年2月、右膝側副じん帯を断裂。昨季は前半戦に7得点を挙げて鮮烈な印象を残したものの、戦列復帰は果たせぬままシーズンを終えた。

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