さらば日本育ちの世界戦。トヨタ杯&クラブW杯の歴代ベスト3試合 (4ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

 このオランダ代表3人組には、現在のバルセロナ(スペイン)のMSN(リオネル・メッシ、ルイス・スアレス、ネイマール)と同等、あるいは迫力という点では、それ以上の力があった。ミランは、チャンピオンズカップ(現在のチャンピオンズリーグ)で2連覇(88~89、89~90)を飾ると同時に、トヨタカップでも2連覇を飾ったが、いずれの大会でも、以降、2連覇チームは現れていない。

 また、このときのミランは、オランダの3人組だけでなく、サッカーそのものも画期的だった。監督アリゴ・サッキが掲げたプレッシングサッカーだ。まさに現代のサッカーの礎を築いたスーパーチーム。忘れることはできないのだ。

 最後の一つは、バルサがサントス(ブラジル)に4-0で大勝したクラブW杯2011年大会の決勝だ。その攻撃的なサッカーが、4-3-2-1の守備的サッカーを敷くサントスを、完膚なきまでに叩きのめした。バルサを率いたジョゼップ・グアルディオラ監督のサッカーが大輪の花を咲かせた試合として位置づけられる。

 監督に就任すると、4-3-3で戦ってきたグアルディオラだが、時が進むにつれメッシの0トップ型に移行。さらにこの大会では、それを中盤ダイヤモンド型3-4-3に落とし込む布陣を披露。71対29という圧倒的なボール支配率を生み出す原動力として機能させた。

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