ヘルタ原口元気、今季初の出番なし。「これじゃ外される」と思った理由 (3ページ目)

  • 山口裕平●文 text by Yamaguchi Yuhei photo by Getty Images

 ただ、データに目を向ければ原口の運動量に大きな変化はない。走行距離こそ微減が見られるものの、試合展開を含めた誤差の範囲内と言える。スプリント数でも、最後のフル出場となった第12節マインツ戦でチーム最多を記録していた。

 むしろ影響が大きかったのは運動の質だ。ヘルタが好調を維持したため、相手チームは策を練った。守備で粘り強く耐えてカウンターで効率よく点を取るというスタイルを封じるべく、あえてボールを持たせたのだ。得意ではないボールポゼッションを強いられたヘルタの調子は崩れた。マインツ、ヴォルフスブルクには逆転勝ちを収めたものの、ブレーメン戦ではビルドアップのミスを突かれた1点が試合を決めることになってしまった。

 その影響は原口にも及んだ。ヘルタはうまく攻撃を組み立てることができず、原口にいい形でボールが入ることも少なくなった。アンソニー・ブルックスやミッチェル・ヴァイザーといった原口にボールを供給する選手の不在も響き、攻撃がより個人の能力任せになったことで原口のストロングポイントは活きにくくなってしまった。

 何とか立て直したいところだったが、疲れているのは身体だけではない。「ちょっと試合が多くていろいろ考えすぎている部分もあるかなと思う」と、次々にやってくる試合の準備をするのに精いっぱいで、頭の整理が追いつかなかった。

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