ケルン大迫勇也にも見くびられた「強いイメージのない」ドルトムント (3ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

 苦戦する相手にも特徴がある。ドルトムントは今季、ライプツィヒ、レバークーゼン、フランクフルトに敗れて3敗。ヘルタ・ベルリン、シャルケ、ケルンとは引き分けている。この6チームは特に守備の構築に力を入れている。大勝する試合もある一方で、研究された守り方をされると、一気に手も足も出なくなるのが現在のドルトムントだ。

 例えばケルン戦の場合、ボールの出どころであり、攻守の要であるユリアン・ヴァイグルを大迫に徹底的に潰されたため、全く攻撃のリズムがつかめなくなった。オーバメヤンのスピードとウスマン・デンベレの個人技も、ボールが出てこなくては生かせないのだ。

 一方、バイエルンには1-0で勝っており、CLではレアル・マドリードに2試合とも引き分けている。ボールをつなぐサッカーをしてくる攻撃的なチームに対しては、意外にしっかりと戦えている。もちろん集中力の問題もあるだろう。強豪相手に挑戦者として臨んだ試合のほうがいいようだ。

 戦いぶりが安定しないのは選手層の薄さも関係している。ケガ人が少し出るとサッカーが変わってしまうのだ。好調だった時期はチームに勢いを与えていたラファエル・ゲレイロが負傷離脱中なのも、現在の不安定さにつながっている。直近ではマリオ・ゲッツェも2試合連続でベンチに入っていないが、それに代わる存在がいるようでいない。各国代表クラスを揃えているはずなのに、イキのいい若手が出た時だけチームが勢いを取り戻す不思議な状態だ。

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