ケルン大迫勇也にも見くびられた「強いイメージのない」ドルトムント (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

「後ろは強いイメージはないから、型にはめれば得点は獲れると思っていた」

 この試合、ポゼッションではドルトムントが上回ったものの、ケルンは前線からプレッシャーをかけることで相手のリズムを崩していた。ケルンは前半のうちに先制したが、後半ロスタイムにマルコ・ロイスの得点で引き分けに持ち込まれている。「勝たなくてはいけない試合だった」と大迫が繰り返すように、ケルンは内容的には完全に勝てる試合を落とした格好だ。

 また、大迫は「相手はチャンピオンズリーグ(CL)で疲れているから、後半はペースが落ちると踏んだ」とも語っている。前半を持ちこたえれば後半勝負で勝てるはず。そんなもくろみで臨み、加えて前半に得点をあげたにもかかわらず、最後の最後でやられたのだから、大迫が悔しがるのも当然だろう。

 攻守ともに連動性が低く、個の力頼みになっているのがドルトムントの現状である。好調だった9月、5連勝した時も、得点は速いサイド攻撃からの個人技によるものだった。攻撃は個人能力頼みでも成立するが、守備はそうはいかない。下位チーム相手にも失点は多く、17位インゴルシュタットとは3-3。16位ハンブルガーSV戦も、5得点したものの2失点を喫している。ともに攻撃に力を割いたぶん、あっさりピンチを招いており、弛緩する時間帯が生まれる印象がある。

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