清武弘嗣が悟る。「スペイン語がわからないと大事な試合に出られない」 (2ページ目)

  • 寺野典子●文 text by Terano Noriko photo by Getty Images

 大分トリニータ、セレッソ大阪、ニュルンベルク、ハノーファーと、プロ入り後は常にチームの中心選手として戦ってきた清武。しかし、ドイツの2チームでは2部降格を経験し、日本代表でもレギュラーポジションを獲得できずに伸び悩んできた。だからこそ、高いレベルで競うことで自身を飛躍させようとセビージャでの"レギュラー争い"にチャレンジした。

 その成果は10月、11月の日本代表戦で見せることができた。

 左アウトサイドでの起用で、FWとしての仕事を求められることもあり、ハリルホジッチ監督の目指すサッカーと自分のサッカーとのギャップに戸惑いを見せることもあったが、ゲームを作るという仕事ができる攻撃的MFとして、大きな存在感を示した。

「セビージャにはうまい選手がたくさんいるので、そういう中でもまれている日々は充実している。(移籍という)この決断は間違っていなかった」と言う。しかしその一方で、「試合勘や技術が衰えることはないけれど、試合で使う体力はやはり試合でしか身につかない。試合に出場できないと、徐々にそれが落ちていっているのかなという感じがある。そこが一番、悩むところです」とも語る。ただ、彼の表情や口調からは、"苦悩"につきものの暗さはなかった。

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