敵スタッフも「乾貴士はいい選手だな」。
2試合連続アシストで高評価

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi photo by Getty Images

 大きなチャンスを乾は逃した。前節ベティス戦もGKアントニオ・アダンの好守に阻まれ、シーズン初得点を決めることができなかった。決定力、フィニッシュの精度が課題であることは間違いない。

 ただ、オランダの名ストライカーであるルート・ファン・ニステルローイがレアル・マドリード時代、得点を決められず悩んでいたゴンサロ・イグアインに「得点はケチャップと一緒だ。決まる時(出る時)はすぐに出る」とアドバイスしたように、決まる時は決まるもの。大事なのはどれだけチャンスに参加するかどうかだ。

 得点こそ奪えていないが、乾はここ3試合で2アシストをしただけでなく、しっかりと決定機を作っている。また、先発復帰を果たしたエスパニョール戦でオウンゴールを呼び込むクロスを上げるなど、先発した6試合でチームが決めた12得点中3得点に関与。サイドアタッカーとして攻撃を牽引するという大事な役割を果たしていることは忘れてはいけない。

 攻撃だけではない。このビルバオ戦、小柄な日本人MFは試合序盤に2度、相手選手と競り合いで激突するガチンコのファイトも見せた。2回目は脳が揺れ、「何が起きたかわからなかった」というが、そういった肉弾戦も含め、エイバルでのサッカー全てに充実感を得ている。

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