意外と共通点が多いペップとコンテ。「高給取り」監督対決の軍配は? (2ページ目)

  • 井川洋一●文 text by Igawa Yoichi
  • photo by Getty Images

 一方のアントニオ・コンテも、現役時代は中盤の選手として活躍。生まれ故郷のレッチェで彼を最初に見出したのは、かのカルロ・マッツォーネだ。ペルージャ時代の中田英寿を指導した、喜怒哀楽を爆発させるローマ人のもとで実力を伸ばし、ユベントスに移籍するとリーグを5度制覇、CLでも1度優勝している。高い知性で複数のポジションをこなし、熱いハートを前面に出すファイターだった。

 指導者の道に入ってからは、下部リーグやプロビンチャ(地方の中小クラブ)でしっかりと経験を積んだ後で古巣ユベントスに招聘(しょうへい)され、彼も3年間でリーグを3連覇した。そして、2014年に悩めるアッズーリ(イタリア代表)の指揮権を託されると、2年後のEURO2016で「史上最も地味なアッズーリ」と揶揄(やゆ)されたチームを率いて、ベルギーやスペインを破ったことは記憶に新しい。

 チェルシーから受け取る年俸は推定650万ポンド(約9億4000万円、ボーナスを含めると1150万ポンドとも)。MF出身、選手時代に欧州制覇、指揮官としてリーグ3連覇、高給取り、高度な戦術の使い手など、グアルディオラとの共通点は多いが、コンテからはエリートの香りはさほどしない。

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