意外と共通点が多いペップとコンテ。
「高給取り」監督対決の軍配は?

  • 井川洋一●文 text by Igawa Yoichi
  • photo by Getty Images

 Jリーグ王者が決まるこの週末、欧州でも複数の好カードが組まれている。スペインではバルセロナvsレアル・マドリードのクラシコ、イタリアではラツィオvsローマによる首都のダービー、そして、イングランドでは3位のマンチェスター・シティが首位のチェルシーをホームに迎える。中でも僕は、ジョゼップ・グアルディオラとアントニオ・コンテの両新監督の対決がもっとも気になるので、プレミアリーグの上位対決を「指揮官」にスポットを当てて論じてみたい。

コンテの気力に導かれて好調のチェルシー。グアルディオラはどんな対策をとるのかコンテの気力に導かれて好調のチェルシー。グアルディオラはどんな対策をとるのか 以前の記事でも紹介したが、アメリカの経済誌『Forbes』で「ロックスター監督の時代」と呼ばれた、現在のフットボール界を代表するふたりの名将。推定1520万ポンド(約22億円)と、監督として世界最高額の年俸を受け取るシティのグアルディオラ監督は、ルックスも毛並みもいい、絵に描いたようなエリートだ。

誉れ高きマシア(バルセロナの下部組織)で育った後、当時の指揮官ヨハン・クライフからファーストチームに引き上げられ、「ドリームチーム」と呼ばれた歴代最高のチームのひとつでピボーテ(ボランチ)を任された。20歳そこそこの若者がフリスト・ストイチコフらクセのある大物を操り、文字通りチームの軸として欧州の頂点に立ち、国内でも4連覇を果たした。

 指導者としては、あえて説明するまでもないかもしれないが、就任1年目から古巣バルセロナをリーグ、カップ、チャンピオンズリーグ(CL)の3冠に導き、3年間で9つのメジャータイトルをもたらした。その後、ニューヨークでの休養期間を経て就任したバイエルンでも、3年間でリーグを3連覇。僕は2011年のクラブワールドカップのミックスゾーンで一度だけ彼を至近距離で見たことがあるが、とてもいい匂いがしたことを覚えている。

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