首位ニースの原動力。あの悪童バロテッリが真面目にプレーしていた (4ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO

 また、フロントの補強策も奏功したと言えるだろう。まずアタック陣では、昨シーズンの躍進の原動力となったFWハテム・ベン・アルファ(現パリ・サンジェルマン)とFWヴァレール・ジェルマン(現モナコ)の抜けた穴に、バロテッリとMFユネス・ベルアンダ(モロッコ代表)をピンポイントで補強。レスター・シティに引き抜かれた守備的MFナンパリス・メンディの代役にはRCランスからMFウィラン・シプリアンを、DF陣にはレンタルでプレーしていたポール・バイスを買い取り、元ブラジル代表のDFダンテも獲得。いずれも、見事に的中させた。

 これら新戦力に加え、ここまでチーム得点王となる8ゴールを決めているFWアラサン・プリーの成長、昨シーズンに続き攻守にわたって獅子奮迅のプレーを見せるMFジャン・ミシェル・セリの活躍もあり、まさにチームは好循環サイクル。これだけの好材料が揃ったニースが首位に立っていることに疑問を呈する者はいない。

 故障の多いバロテッリが戦列を離れてから、得点力がやや低下している点は気になるものの、パリ・サンジェルマンに次いで少ない失点数が示すとおり、あいかわらずディフェンスの安定感は抜群。それだけに、急にチームが不振に陥ることはないだろう。

 序盤戦のニースはモナコやリヨンとの直接対決も制しており、次なる山場は12月11日に予定されている第17節のパリ・サンジェルマン戦となる。仮にそのアウェーでの大一番で引き分け以上の成績を残すことができれば、いよいよニースの「秋のチャンピオン(リーグ・アン前半戦王者)」が現実味を帯びてくる。

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