首位ニースの原動力。あの悪童バロテッリが真面目にプレーしていた (3ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO

 バロテッリ自身も、「過去にいくつかのクラブでプレーしてきたが、ニースサポーターの雰囲気がこれまでで一番だと感じる。彼らも俺のことを気に入ってくれているようだし、とても幸せだね」と、サポーターへの愛情を示すなど、地元との関係も良好だ。今度こそ復活を誓うイタリアの問題児にとっては、最高の環境が整ったと言えるだろう。

 もちろん、ニースの好調の理由はバロテッリの活躍によるものだけではない。

 たとえば、ファーヴル新監督の存在だ。現役時代はトゥールーズでフランスサッカーを経験したこともあるスイス人指揮官は、2011年2月から率いたボルシアMGをブンデスリーガ1部に残留させ、その後は上位争いを演じるだけのチームに躍進させた実力者。その采配は、自身初となるフランスでも冴えわたっている。

 対戦相手によって3バックと4バックを使い分けて、戦術のディティールを変化させると同時に、早い段階からレギュラーメンバーを固定したことで守備が安定。4年かけてチームを建て直し、昨シーズン4位まで引き上げたクロード・ピュエル監督(現サウサンプトン監督)が作ったベースを見事に昇華させている。

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