首位ニースの原動力。あの悪童バロテッリが真面目にプレーしていた (2ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO

 そこで今シーズン、心機一転でバロテッリが選んだ新天地がニースだった。過去にバロテッリが所属したインテル、マンチェスター・シティ、ミラン、リバプールといったビッグクラブと違い、ニースはフランスの中堅クラブ。戦後の1950年代に4度のリーグ優勝を果たしたという遠い過去の栄光はあるものの、現状は優勝を望めるようなクラブではない。そういう点においては、今回の移籍は「都落ち」の感が否めなかった。

 ところがバロテッリは、そんな周囲の冷ややかな見方をよそに、デビュー戦となった第4節のマルセイユ戦で2ゴールをマーク。さらに第6節のモナコ戦でも2ゴールを叩き込んで強豪相手の勝利に大きく貢献すると、あっという間にリュシアン・ファーヴル監督とチームメイトからの信頼を手にしたのだった。

 同時に、フランスでも指折りの熱狂度と気性の荒さで知られるニースサポーターの心も鷲づかみにした。彗星の如く現れた"スーペル・マリオ"は躍進するニースのアイコンとなり、地元紙は「バロテッリのユニフォームが平均6分に1枚、売れている」と、ファンの熱狂ぶりを報道。ニースの昨シーズンのユニフォーム販売数はトータル8000枚だったのに対し、今シーズンは終了までに約2倍となる1万5000枚が売れ、そのうちバロテッリのユニフォームは1万枚の販売数となる見込みと予想するなど、地中海のリゾート地で巻き起こっているバロテッリ・フィーバーにスポットを当てた。

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