純正イタリア人チーム化が進むミラン。となると本田圭佑の立場は...

  • ステーファノ・メレガリ(『Forza Milan!』編集長)●文text by Stefano Melegari 利根川 晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

オフィシャル誌編集長のミラン便り2016~2017(12)

 セリエA第14節エンポリ対ミラン戦は土曜の夜に行なわれた。実はミランはその歴史の中で、エンポリで負けたことがない。その伝統を受け継ぐかのように、この日のモンテッラ・ミランも勝利した。それも4-1の大勝だ。この勝利のおかげでミランはローマと2位タイをキープ。首位のユベントスがジェノア戦で予期せぬ黒星を喫したため、今や1位と2位の差はたった4ポイントしかない。

 ベンチ入りしたエンポリ戦で出場機会のなかった本田圭佑(BUZZI/FOOTBALL PRESS) ベンチ入りしたエンポリ戦で出場機会のなかった本田圭佑(BUZZI/FOOTBALL PRESS) ミランのこの2位というポジションは、アタランタが現在5位であるという事実とともに、セリエA今シーズン前半の2大サプライズといわれている(昨シーズンはミランは7位、アタランタは13位だった)。モンテッラ・ミランは勝利へのタイミングを待つことができ、苦しい時間を耐えることができ、得点ができ、同時に守ることも知っている。勝つことと耐えることを知っているということは、ミランが成長している証である。

 今回のエンポリ戦で最もチームに貢献したのはジャック・ボナヴェントゥーラとスソだろう。ボナヴェントゥーラは中盤の左サイドアタックにおいても、試合の流れをたちまち変えてしまうような力を持っている。

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