長友佑都を高く買うインテル新監督。なのに、なぜ移籍話は消えないのか

  • マッテオ・ブレーガ●文 text by Matteo Brega 利根川 晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 インテルの監督にステファノ・ピオリが就任して以来、彼が長友佑都の名前を口にしなかった日はない。アッピアーノ(インテルの練習場)で長友が主要選手として使われているのを見ない日もない。

「新監督が長友をどう思っているか」という問いの答えがここにある。ピオリは確実に長友を「使える選手」と考えている。長友のプロ選手としての姿勢、そして正確なテクニックをピオリは高く評価しているのだ。

ミラノダービーは後半20分から出場した長友佑都(Getty Images)ミラノダービーは後半20分から出場した長友佑都(Getty Images) ピオリが長友を重要と考えていることがよくわかるエピソードがある。先日行なわれたミラン対インテルのミラノダービー(結果は2対2)。押しも押されもせぬビッグマッチであり、ピオリにとってはインテルでのベンチデビューという重要な試合であった。

 この試合、長友は後半20分から途中交代で入ったが、実はもっとずっと早い時間帯に投入されるはずだった。前半、左サイドのクリスティアン・アンサルディがミランのスソに苦しめられていると見るや、ピオリはただちに長友にウォームアップを命じた。まだキックオフから20分も経っていない時間だ。チームが困難に陥っている時、最初に彼の頭に浮かんだのが長友だったのである。

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