豪腕代理人が明かす、ファーガソンの
悪態とポグバ「マンU移籍」の裏側

  • サイモン・クーパー●文 text by Simon Kuper 森田浩之●訳 translation by Morita Hiroyuki

 ライオラはまるで動じなかった。それは彼が「くそったれ(twat)」という英語を知らなかったためでもある。

ライオラ:この契約は、うちのチワワだってサインしませんよ。わが家にはチワワが2匹いるんですけどね。
ファーガソン:じゃあ、いくらだったらいいと思う?
ライオラ:さあ......。
ファーガソン:くそったれ。

 ファーガソンの自伝には、ライオラに対する気持ちが、こうつづられている。「初めて会ったときから信用できない男だと思った」

 ライオラはポグバの移籍先を探して、ヨーロッパの有名クラブを回った。「ユベントスが『いくら出してもいいから、彼が欲しい。いま世界最高の選手だ』と言ってきた。しかしユベントスは昔から、若手を忍耐強く使わない」。ライオラはポグバに「ユベントスに行っても、きみにとって価値あるステップにはならないかもしれない」と言った。しかしポグバは、もうユベントスに行く気になっていた。

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