ドイツ2部のMFになった浅野拓磨がアーセナル復帰のために必要なこと (3ページ目)

  • 山口裕平●文 text by Yamaguchi Yuhei photo by Getty Images

「ゴールが獲れて自信はつきましたけど、それと逆に課題というものが積もってきているなと思います。少しずつその課題に向かって地道にやっていくしかない」

 まず、このところの浅野は試合に絡めていない時間が多い。その点は地元メディアにもたびたび指摘されている。ボールさえ出てくれば持ち味のスピードでチャンスを作り出すが、チームが劣勢であったり、なかなかボールがもらえなかったりすると試合から消えてしまう。日本ではボールをもらえないという状況は少なく、もしそうであっても武器のスピードで裏に飛び出してしまえばどうにかなっていたが、ドイツではそうはいかない。スペースがなくてもボールを引き出す動きを身につけていかなければならない。

 そして、いざボールを持てば、仕掛けるのと同じくらい、失わないことを意識しなければならない。ボールを奪ってからのカウンターは世界的なトレンドだが、ドイツは特に縦に速い攻撃の意識が強い。不用意な形でボールを失えば、すぐさま失点につながる。

 チャンピオンズリーグ(CL)参戦組のボルシアMGと対戦したドイツ杯2回戦では、敵陣左サイドライン際でドリブルを仕掛けて奪われた浅野のボールロストが失点につながった。浅野がボールを失ったのは自陣ゴールから60メートル以上離れた位置。しかし、鋭いカウンターを見せることで知られるボルシアMGに、ものの10秒程度でネットを揺らされてしまった。

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