ドイツ2部のMFになった浅野拓磨がアーセナル復帰のために必要なこと (2ページ目)

  • 山口裕平●文 text by Yamaguchi Yuhei photo by Getty Images

 加入当初は浅野を好意的に見ていた地元メディアも、なかなか結果を残せないでいる状況にしびれを切らしつつある。地元紙『シュツットガルター・ツァイトゥング』は、先発デビュー戦となった第5節カイザースラウテルンでチーム最高点タイの2点をつけ、「この新加入選手は小さな旋風を起こした。スピードもありトリッキーで、十分な力があることを示した」と、浅野が見せたポテンシャルへの期待を隠さなかった。

 しかしその後、毎試合チャンスがありながらも、なかなかゴールは生まれなかった。そして、いよいよ待望の初ゴールが生まれた第11節カールスルーエ戦の採点は3点にとどまった。ダービーで貴重な先制点を奪い、他にも決定的なチャンスを作り出したのにもかかわらず、だ。

 同紙が「この日本人はシーズン初ゴールを挙げ、いいパフォーマンスを見せた。しかし、試合への関わりもドリブルも、もの足りない。後半はより多くのアクションを起こし、2点目を奪うチャンスもあった」と記したように、地元メディアが求めるところはもう少し上にある。

 初ゴールを挙げたカールスルーエ戦後、「全然納得のいく数字ではないです。先発で出してもらっているので、結果が求められてくる中で監督も信じて使い続けてくれているので、何とか早く期待に応えないと」と語ったように、浅野自身もここまでの出来には満足していない。むしろ、改善しなければならない点が試合を重ねるごとに増えているという。

2 / 7

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る