代表戦を前に明暗。香川真司はケガで欠場、酒井高徳はボランチに適応中 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

 ちなみに4得点のオーバメヤンはこの日、活躍しなくてはならない特別な理由があった。すでに報じられている通り、チャンピオンズリーグ(CL)スポルティング戦の前々日にミラノで友人のパーティーに参加した。その日はオフだったとはいえ、週に2試合がある時には禁じられている行為だった。その事実が試合当日は伏せられていたが、翌日以降、明るみに。そんな経緯もあり、キッカー誌のウェブ版はこの試合に「オーバメヤンは4度謝った」と、タイトルをつけていた。

 エースの4得点で快勝とはいえ、今のドルトムントには圧倒的な強さが見られない。あるのは強烈な"個"だけで、中盤の連動性がないのが現状だ。酒井は「大敗したと言われればそうだけど」と前置きしながら、こう語る。

「今までやったドルトムントと比べると、『強くないじゃん』という気がする。回したい気持ちもわかるけど、回すクオリティがそんなに高くないし、効果的なボールの受け方もしていない。これだったらブンデスの中位とそんなに変わらないなと思う。ただひとり、調子のいいフォワードがいるという感じ」

 このところボランチで起用されることが多い酒井だが、後半は再三破られていたサイドに蓋をするため、サイドバックにポジションをチェンジ。チーム内での信頼の高さがうかがえた。ボランチでのプレーに及第点を出すことはできなかったが、手応えは感じていた。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る