レギュラー争い続く香川真司の決意。「安全なパスより積極的なミスを」 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

 だが前半のドルトムントは冴えなかった。シュートは0本。3バックでゴール前を固めるシャルケの守備に対して、高速アタックが通用しなかった。ビルドアップを試みても、かえってそれが仇となりカウンターを食らう。得点の可能性があったのはシャルケのほうだった。

 トーマス・トゥヘル監督も不満だらけだ。

「前半は問題だらけだった。不要なミスが多く、ビルドアップもうまくいかなかった。パスの質が悪く、攻撃ではスペースをうまく使えなかったため、何度か危険なシーンを作ってしまった。シュートは1本もなく、気分はよくなかった」

 対するシャルケのマルクス・ヴァインツィール監督は、「前半は相手に何もさせず、規律のとれたプレーができた」と満足顔だった。

 後半に入るとようやくドルトムントは攻勢に出たが、それでも得点は生まれない。終盤には負傷明けのラファエル・ゲレイロも投入したが、実らなかった。

 79分までプレーした香川真司の出来もパッとしなかった。このところドルトムントが採用している4-3-3。香川は中盤の3枚のうち、ボランチの右前でプレーをしたが、組み立てはそれなりにできても、なかなかゴール前に入るまでには至らない。

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