「先発ならもっとできる」ザルツブルク南野拓実は不遇を打ち破れるか (3ページ目)

  • 山口裕平●文 text by Yamaguchi Yuhei photo by Getty Images

 当然、南野は現在の状況にもどかしさを感じている。EL第3節ニース戦でも10分間の出場にとどまった南野は、「スタメンや、(途中出場でも)もっと出場時間があればもっとできる。そのための準備もしているし、やることはやっているんですけど......」と、率直な気持ちを明かした。

 前半にリードを許し、1点を追いかける展開だったザルツブルクだったが、ガルシア監督が1枚目の交代カードとして南野を送り出したのは80分。投入直後には立て続けにゴールを狙った南野だったが、最後の5分は相手に試合を殺されて、チームは攻撃を仕掛けることすらできなかった。

 南野は自身の調子が悪いとは思っていない。むしろ練習から十分なアピールをし、スタメンで出場するだけのプレーができていると感じている。ただ、誰を起用するか決めるのは監督だ。

 南野もこの状況を変えようとしている。それは「監督の求める以上のプレーをやってやろう」という意識だ。EL第1節クラスノダール戦に先発した南野は、引いた相手に苦しむ展開で中央やや下がり目のポジションを取り、ボールの供給役になったのだ。

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