CLデビューもわずか8分。岡崎慎司がピッチで感じたチームの異変 (4ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 活路はやはり、エンジン全開とはいえないチームのプレー内容にある。守備になると自陣深くに引くだけで、連動したプレスがまるで見えない。アタック時になっても、FWジェイミー・バーディーの速さとスリマニの高さを生かすだけで、大味な攻撃しか繰り出せていない。この日も、イチかバチかのロングボールを前線に入れるばかりで、ゴールの匂いはあまり感じられなかった。昨季の武器だった厚みのあるダイナミックなプレーは、見ることができなくなっている。

 もちろん、クラウディオ・ラニエリ監督としては、スリマニの獲得を機に新しい道を模索しているのだろう。しかし現状、その内容は褒められたものではない。マンチェスター・ユナイテッドやチェルシーなど、力で勝る相手との対戦になると、いずれも大敗しているのがその証拠だ。英紙でも、ラニエリの采配に懐疑的な眼差しを向ける論調が目につくようになった。

 岡崎は言う。

「(今のチームには)変化がない。サイドの選手がボールを持っても、FWのふたりがゴール前で待っているだけ、という状況が続いていた。あそこで変化をつけるプレーは、自分ならできると思った。

(自分が出ることによって)ちょっとずつチームのリズムを取り戻していける。今はチームみんなで戦っているっていうのが見えにくいので。そこを自分がつなぎ止めて、なおかつ点を獲れるような存在になりたいと思うんですけど。でも、それって難しいところだと思います。FWは結果を求められるポジションだから」

4 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る