プレミアリーグの3名将「ペップ、モウリーニョ、コンテ」の現地評価は? (3ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by Getty Images

 このマンチェスター・Cに比べると、チーム作りに遅れが生じているのが、モウリーニョ監督率いるマンチェスター・Uだ。第7節までの成績は、4勝2敗1分の6位。格下のワトフォードに1-3で完敗し、ストーク・シティとの一戦もホームゲームで引き分けに終わった。「優勝候補のひとつ」と謳われながら、首位マンチェスター・Cに5ポイント差をつけられている現状は、やはり満足できるものではないだろう。

 気になるのは、プレー内容である。MFポール・ポグバ(前ユベントス)を筆頭に、FWズラタン・イブラヒモビッチ(前パリ・サンジェルマン)やDFエリック・バイリー(前ビジャレアル)など大型補強を敢行したが、モウリーニョ監督はチーム編成の最適解を見出せていないように映る。好例は攻撃陣だ。お世辞にも「流麗な連係を奏でている」とは言えず、ファイナルサードに入ると、「個の力」だけで押し切る大味なプレーが目につく。

 もっとも、近年のモウリーニョ監督はこうした傾向を強めており、個人能力に依存したアタックを「良し」と考えている可能性はある。しかし、英紙『サン』が、「9200万ポンド(約116億4000万円)の巨費をかけながら、ポグバは額面どおりの活躍を見せているのか?」と指摘しているように、その才能をフルに発揮できているとは言いがたい。4-2-3-1の中盤「2」の位置、つまり守備タスクも求められるポジションでプレーしている今、ポグバの最大の持ち味である「大胆さ」が、「荒さ」や「もろさ」に取って代わっている印象はどうしても拭えないのだ。

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