プレミアリーグの3名将「ペップ、モウリーニョ、コンテ」の現地評価は? (2ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by Getty Images

 しかしながら、似たようなシステムでプレーしたバイエルンと比べると、まだまだ「発展途上」の段階にあると言わざるをえない。最たる例は、トッテナム・ホットスパーに0-2で完敗した第7節だろう。トッテナムが得意とするプレッシングサッカーの餌食となり、ビルドアップ時にボールホルダーがポゼッションを失う場面が頻出したのだ。英紙『デーリー・テレグラフ』はこの苦戦したトッテナム戦を、「グアルディオラのチームにしては珍しく、大いに乱れた」と評している。

 たしかに、指揮官の考えはチームに根づき始めている。CLプレーオフを含めた公式戦で10連勝を飾り、結果もついてきた。就任1年目にしては、十分過ぎるほどの好スタートである。しかしこのトッテナム戦で、選手たちが指揮官の戦術を消化しきれていないことがハッキリと露呈した。

 指揮官の思い描く理想は高いだけに、選手個々の状況判断やポジショニング、テクニック、連係面に小さくない課題を残している。先述の『デーリー・テレグラフ』も、「プレミアリーグにおけるインテンシティ(プレー強度)の高いプレーは、スペインやドイツでは経験しなかったはず。グアルディオラのサッカー哲学は、今後も英国で試されていくことだろう」と結んだ。優勝候補であることは変わりないが、盤石ではないのはたしかだ。

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