通訳なしで地元TV登場。
すぐにオランダ化した小林祐希の凄い適応力

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by AFLO

 ユルゲン・ストレッペル監督もMFスタイン・スハールス主将も、「小林はインテリジェンスな選手で、チームにエキストラをもたらす」と語っている。さらにストレッペル監督は、「小林は言葉にまだ苦労しているけれど、チームへの順応速度が非常に早い」とも言っている。

 2部リーグのデ・フラーフスハップを相手にした9月20日のKNVBカップ1回戦では、小林がコミュニケーションスキルの高さでストレッペル監督を喜ばせた。

「デ・フラーフスハップは中盤をダイヤモンド型にしてくると読んでいたところ、試合が始まってみたら中盤4人がフラットになっていた。そこで、小林がベンチにやってきて、どうするかを確認しにきたんだ」(ストレッペル監督)

 後日、小林はこのシーンを振り返って説明してくれた。

「うまくいかなかったら自分で変える――というのが、俺の哲学です。選手が一番(うまくいってないと)感じているなら、選手のほうで変えた方がやりやすい方法は見つかるはずなんです。でも、勝手に変えて怒られるのも嫌だと思って、『やり方を変えたい』と監督に伝えたら、『自分も紙に書いて指示を伝えようと思っていたところだった』と言っていた」

 一方、10月1日に行なわれた第8節・PSV戦では、チームとして前から行こうとしていたのを、戦況を読んだうえで、前から行かせなかったという。

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