通訳なしで地元TV登場。すぐにオランダ化した小林祐希の凄い適応力

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by AFLO

 ヨーロッパへの移籍を見据えてこの1年間、小林祐希は英語の勉強に時間を割いてきたという。しかし、8月末にヘーレンフェーンの練習を見学してみると、指示がなかなか聞き取れず、手探りしながらメニューをこなしていた。

チームメイトと積極的にコミュニケーションを取る小林祐希チームメイトと積極的にコミュニケーションを取る小林祐希 だが、小林はやはり度胸がある。オランダでのデビューマッチとなった9月10日の第5節・トゥウェンテ戦を目前に、小林は地元テレビのインタビューを堂々と受けていた。

 聞き取れない単語もたくさんあった。それでも、「日本とオランダの違いは?」と聞かれると、「トイレ。日本のトイレって熱い(ホット)んですよ」と答え、インタビュアーを「日本のトイレは熱いんだ!」と驚かせた。「それはどういう意味なの?」と突っ込みが入ると、彼は便座に座るような仕草をして、インタビュアーを納得させていた。

「オランダのサッカーは、より速く、より強い。自分はテクニックと頭を使っていく」

 小林はオランダの印象についてそう答え、自身をアピールしたインタビューは3分半にもわたった。

 試合後、ふたたび地元テレビのインタビューを受けることになると、「誰か通訳やってよ!」と頼んでくる小林だが、実際にカメラの前に立つと意を決し、ブロークンな英語ながら自身の言葉でしっかりと語っている。この調子なら、間違いなく英語の上達は早いだろう。

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