うずくまるまで走った岡崎慎司。
久々の出番で見せた「自分のよさ」

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

「2FW」と「4MF+4DF」による攻守分担は、今季のレスターが抱える大きな課題だ。岡崎の言葉どおり、守備の「4MF+4DF」でボールを奪い、攻撃の「2トップ」に素早く合わせる。バーディーの「スピード」とスリマニの「高さ」を生かしたいのだろうが、中盤に構成力がないため単調になりすぎる傾向がある。

 一方、昨季はそうでなかった。FWの岡崎が中盤に下がったり、中盤底のスペースをMFエンゴロ・カンテに任せてMFダニー・ドリンクウォーターが前線へ仕掛けたりと、選手がポジション外のスペースに侵入することで躍動感が生まれた。しかし、今季は4-4-2の形のまま、スライドだけを繰り返す時間帯があまりに長い。実際サウサンプトン戦も、この悪い状況が続いていた。

 その意味でも、「自分のよさは見せられた」と語る岡崎の動きは効果的だった。

 最前線に陣取るスリマニと4MFの間に入ってパスコースを作り、潤滑油として機能した。さらに、「よさが出た」と胸を張ったのが、投入1分後のプレー。中盤の高い位置でボールを受けると、素早く前を向いてターン。敵のマークを剥がした後、スリマニにスルーパスを出した。

「あそこでターンできるのが、自分のよさだと思う。しかも、1発目のタッチであれができるのは、やっぱり自分が強い気持ちでサッカーをしているからだと思う。気持ちが弱かったら、マフレズに返していたと思うんですけど、自分があそこでターンすることによって、チャンスにつながった」

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