清武弘嗣を襲う不運の連鎖。ナスリ中心のチームになったセビージャ (3ページ目)

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi photo by Getty Images

 73分、エリア手前でゴールに背中を向けた形でボールを受けたブラジル人MFは、振り向くことなくヒールでベン・イエデルの足下ぴったりと届く正確なアシストを決めてみせた。チームにとっては大きな勝ち越しゴールであり、ガンソにとっても大きなアピールとなるすばらしいプレーだった。

 また、日本代表に招集されスペインを離れることも、セビージャの清武にとってマイナス要因となる。

 ここまでサンパオリは試合を通してメンバーとシステムを入れ替えながらチームを作り上げてきた。だが、今回のアラベス戦では、初めて同様のメンバーとシステムを2試合連続で採用しており、アルゼンチン人監督は一つの答えを出そうとしている。今回の代表ウィーク期間中、そのアイデアのもとチームを作り上げていくことは容易に想像することができる。

 そのタイミングで日本へ戻ることは、戦術理解の上でチームメートに大きく遅れをとることを意味する。まして、清武にとってリーガは今シーズンが初挑戦となる舞台であり、言語や文化、サッカー、監督、チームメートなど、いろいろなことに適応しなければいけない時期である。

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