「移籍するかな」と思った吉田麻也が、サウサンプトンに残留したわけ (3ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 だからこそ残留を決めたと筆者は推測していたが、吉田によると、「決め手」になったのはクラブ側の意向だったという。吉田は語る。

「クラブが『出さない』と言ったのが決め手ですね。今、CBは実質的に3人しかいないから、しょうがないですね。復帰は近いですが、(CBの4番手)フローリン・ガルドシュもケガをしていますし」

 吉田とサウサンプトンの契約は残り2年。フォンテの去就が不確かな状況で、吉田を含めてプレーできる状態のCBが3人しかいない現状では、在籍5季目の日本代表DFは手放せなかった。オフの間にFWグラツィアーノ・ペッレ(山東魯能)やMFサイード・マネ(リバプール)、MFビクトル・ワニャマ(トッテナム・ホットスパー)といった主力選手がゴッソリ引き抜かれた一方で、補強が思うように進まなかったことも無関係ではなかったはずだ。

 ただ、クラブ側の意向があったにせよ、監督交代や試合数の増加などチーム内に変化があったことで、吉田も残留を前向きに受け止めている。もちろん、この転機をチャンスに変えたい。実際、欧州リーグのスパルタ・プラハ戦では出番を与えられ、ファン・ダイクとのCBコンビで無失点に抑えた。

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