香川真司の内面に何が?
ドルトムントで出場機会減少も余裕の対応

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by AP/AFLO

 落ち着ついているもうひとつの理由は一種の自信だろう。この日のダルムシュタット戦では、新加入のラファエル・ゲレイロ(22歳)とウスマン・デンベレ(19歳)、昨季から頭角を現わす17歳のクリスチャン・プリシッチといった若手が、とにかくサイドを駆け上がり、守備に奔走し、相手を圧倒した。オーバメヤン、マルコ・ロイス、ミキタリアンのセットが昨季まで見せてきたスピード感に若さをプラスした感じだ。

「今日見ていても、サイドの若いやつらがとにかく速い。勢いがすごくあるし、これで自信を持たせたらすごい力を発揮すると思う」

 自分とあまりにもタイプが違う選手たちだからなのか、半ば呆れ気味に話しながら、自分のプレーのイメージを膨らました。

「そういうのも生かしながら、自分もその中でどうやって生きていくか。彼らをどう生かすかがこのチームの形になりつつある。ただそのためには、中(中央)が大事ですし、そういうところでテクニックを発揮できるのは、マリオ(ゲッツェ)だったり、ゴンツォ(ゴンサロ・カストロ)だったり、そういう選手だと思う。うまく今はバランスが取れていると思います」

 自分の名前をあえてそこに連ねることはしなかったが、スピードのある選手たちを生かすのは、ゲッツェやカストロ、そして自分のような技術のある選手たち。自分がいなくては成り立たないという自負をうかがわせた。

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