ミラン開幕戦勝利。
本田圭佑は「出番なし」でも焦りなし

  • ステーファノ・メレガリ(『Forza Milan!』編集長)●文 text by Stefano Melegari 利根川 晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 場所はサン・シーロ、迎え撃つは今シーズンからシニシャ・ミハイロビッチが率いるトリノ。そう、ほんの数カ月前までミランのベンチに座っていたミハイロビッチのチームだ。ミランの選手の顔ぶれは彼が監督だった頃とほとんど変わってはいない。そんなミランをミハイロビッチがどう攻めるのか、ミランの選手がどう対処するのか、この興味深い対決に、スタンドには3万人の観衆が集まった。

 試合は3-2でミランが勝利を収めた。この日の主役はカルロス・バッカとGKのジャンルイジ・ドンナルンマだった。昨シーズン、リーグ、カップ戦合わせて20ゴールを決めたバッカは、この夏ずっと移籍が噂されていたが、その彼がハットトリックを決め、ミランに勝利をもたらした。

 一方若きGKドンナルンマは、まさにミハイロビッチがその才能を見出し、昨シーズントップチームに引き上げた選手だ。彼は試合終了近くにトリノのアンドレア・ベロッティのPKを止め、ミランの勝利を守り、試合後の会見ではミハイロビッチが「こうなることが分かっていたら、デビューさせなかったのに」と冗談めかして言っていた。

 さて我らが本田圭佑だが、この試合で出番が回ってくることはなかった。

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