清武弘嗣、鮮烈デビュー。スペイン人も「オー」と驚く粋なプレー (2ページ目)

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi photo by Getty Images

 落ち着いたパスさばきで味方につなげる展開力や、79分に見せたヒールで味方につないだプレーのようにしっかりとした技術をもとにした粋なプレーを見せた。そのたびにスタンドから「オー」という驚嘆の声を引き出し、サッカーに関して目の肥えたスペイン人を唸らせた。

 指揮官ホルヘ・サンパオリも、試合後の記者会見で「清武は信じられないほどすばらしい試合をしてくれた。今日の試合のように多くのすばらしいプレーがあった時、一つのミスのことを覚えている者などいない。今日のセビージャですばらしいプレーをした選手の1人だ」と、背番号14番に高い評価を与えていた。

 だからミックスゾーンでは、手応えを感じた清武の姿が見られると思っていた。だが、この試合で日本代表MFの印象に残ったのは、得点を決めたシーンではなく、チームの逆転弾を演出したCKからのアシストでもなかった。サンパオリが「誰も覚えていない」と言った、チームが喫した4失点目。自分のミスから奪われた失点のシーンが頭の中に一番強烈に残っており、出てくるのは反省の弁ばかりだ。

「得点、アシストを決めたことより、失点に絡んだことが全然残っていますね。やっぱ6-3と6-4ではちょっと......。もう1点取られたら、相手に(勢いに)乗られる感じがあったし。だから本当に申し訳なかった」

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