ヘーレンフェーン移籍は夢への第一歩。小林祐希が語る大いなる野心 (3ページ目)

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by AFLO

 また、同じレフティーのMFスタイン・スハールスをPSVから獲得したことも、「小林のヘーレンフェーン移籍の話は流れた」と思わせるに十分だった。ただ、その裏では、小林を簡単には手放したくないジュビロ磐田と、夏の合宿からチームに合流してほしいヘーレンフェーンの駆け引きが繰り広げられていた。

 ロングランの交渉の末、小林とヘーレンフェーンの希望は叶い(ジュビロを勝たせることができなかったことには個人的に悔いは残るものの)、「できればセレモニーをやって終わりたいという、ジュビロと俺自身の希望がありました。最後、ホームで終わらせてくれたヘーレンフェーンの人たち、ジュビロの人たち、そしてエージェントの3つがしっかりと重なり、いい感じでオランダに送り出してくれたのでよかったです」と、彼は皆への感謝を忘れないのであった。

 今年のジュビロでの始動キャンプで、小林は地元テレビ局のインタビューに、「今年の目標は日本代表」と答えている。あれから半年が過ぎ、小林はヘーレンフェーンの記者室に座っている。

「あのときに言った目標は、最低限の目標を(フリップに)書いただけなんです。もっと人に笑われてしまうような目標をたくさん持っていますので、ひとつずつ叶えていけたらなと思っています。そもそも、あの段階で"日本代表"と言うこと自体が笑われる。あのときの俺は年間5得点しか獲ってなかった。J2からJ1に上がってきた奴が、『日本代表に入る』と言っていたら、『なんだ、コイツ』と思われたかもしれないけれど、それをやれた自分がいる」

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