インテル長友佑都の今季。新監督F・デ・ブールと相性はいいのか (3ページ目)

  • マッテオ・ブレーガ●文 text by Matteo Brega 利根川 晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 発言の意図は明確だ。このチームでは誰もポジションを約束されてはいない。レギュラーだからといって気を緩めてはいけない。調子のいい者、懸命に練習する者、戦術を最高の形で具現化できる者がプレーする――まさに長友にぴったりではないか。

 長友はブルニコで行なわれたサマーキャンプでもいいスタートを切っていた。持久力テストの彼のデータはチームの中でも1、2を争う結果だったという。好調はアメリカツアーでも続き、デ・ブール就任後は自分の実力を新監督にわかってもらおうと懸命だった。当初、新監督は獲得したばかりのエルキンの方がお気に入りのように思えたからだ。

 また「戦術を具現化する」という点においては、長友はインテルの中でピカイチだ。持久力も、パスも、瞬発力もある上、とっさに状況を読み取り判断することができる。その点エルキンはまだイタリアに来たばかり。セリエAでの動きや戦術を学ぶ必要がある。

 エルキンのプレースタイルは長友とはかなり違う。フェネルバフチェ時代、エルキンは4-3-3-1のサイドの高いほうの位置、ウィングに近いポジションでプレーしていた。つまり長友のように守備に基礎を置いた下地を持ってはいない。もちろん練習の成果もあって、かなり守りもうまくはなってきているが、開幕までに残された時間はほとんどない。

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