レアル今夏の補強はゼロ。全権掌握ジダンのマネジメント術が光る (3ページ目)

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 実際、退団が噂されたラファエル・バランやイスコ、ナチョは、ジダンと話し合いをしたことでチーム残留を決めており、今季の注目の若手であるマルコ・アセンシオも、監督との会話から「トップチームでプレーすることへの自信を深めることができた」と感謝の言葉を口にしている。

 何よりも昨シーズン、カンプノウでのバルセロナ戦でクリスティアーノ・ロナウドが自陣に戻り守備をしたことに、サッカーファンは驚かされた。選手の心を掌握することに長けていると言われた監督経験豊富なカルロ・アンチェロッティですら実現できなかったことを、トップチーム1年目の新人監督がやってのけたのだ。

 ジダンに課された今季の目標はクラブW杯を含めた4つのタイトルを全て勝ち取ること。レアル・マドリードらしい大型補強はなかったが、そのぶんチームとしての継続性という、お金では手に入れることができないものを手にした。確実なサッカースタイルにどれだけジダンの色がつけられるか。それがタイトル獲得以外のレアル・マドリードの課題であり、新シーズンの楽しみな要素だとも言える。

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